
1. なぜ妊娠中は足がつりやすいの?
主な原因は、お腹の赤ちゃんの成長と、ママの体の変化にあります。
① ミネラル不足(カルシウム・マグネシウム)
これが一番大きな原因です。 赤ちゃんの骨や歯を作るために、ママの体からは優先的にカルシウムやマグネシウムが送られます。そのため、筋肉の収縮を調整するミネラルが不足し、筋肉が誤作動(痙攣)を起こしやすくなります。
② 骨盤の圧迫と血行不良
大きくなった子宮が、骨盤周りの太い血管を圧迫します。すると、足から心臓へ戻る血流が悪くなり、疲労物質が溜まりやすくなってしまいます。
③ 冷えと足の負担
お腹が大きくなると、重心が変わって足の筋肉に負担がかかります。さらに、妊娠中は足元が冷えやすいため、筋肉が硬直してつりやすくなるのです。
2. 【緊急】「今、つって痛い!」時の対処法
激痛が走った時、パニックになって足をバタバタさせるのは逆効果です。 つま先を、自分の方に向けることだけを覚えておいてください。
⭕️正解:アキレス腱を伸ばすポーズ
- 座って、つった方の足を前に出します。
- 足の親指(つま先)を手で掴み、自分の体の方へグーッと引っ張ります。 (手が届かない場合は、タオルを足の裏にかけて引っ張ってもOKです)
- ふくらはぎの筋肉が伸びて、痛みがスッと引いていきます。
❌ やってはいけないこと
- つま先をピンと伸ばす(バレリーナのような足): 筋肉がさらに縮んでしまい、痛みが悪化します。絶対につま先は「体の方へ」曲げてください。
- 痛いのに無理やり揉む: 筋肉が損傷(肉離れ)することがあります。まずは伸ばして、痛みが引いてから優しくさすりましょう。

3. 今日からできる!3つの予防ケア
「あんな痛みはもう嫌だ!」という方は、寝る前の習慣を少し変えてみましょう。
① 寝る前に「コップ1杯の水」と「ミネラル」
寝ている間は汗をかいて脱水になりがちです。寝る前の水分補給を忘れずに。 また、夕食にマグネシウムを多く含む食材(納豆、豆腐、海藻、アーモンド、小魚など)を取り入れましょう。
② レッグウォーマーで「冷え」ガード
特に、寒い冬は足が冷えてしまい、こむらがえりを起こしやすいです。夏場でも、足首やふくらはぎは冷やさないようにしましょう。 締め付けの少ないレッグウォーマーを履いて寝るだけでも、こむら返りの頻度はグッと減ります。
③ 壁を使って「ふくらはぎストレッチ」
お風呂上がりや寝る前に、壁に手をついてアキレス腱を伸ばすストレッチを行いましょう。 筋肉を柔らかくしておくと、夜中の「ビキッ」を防げます。

まとめ:痛みが続く場合は相談を
こむら返りは、出産を終えると自然になくなることがほとんどです。痛みで目が覚めるのは辛いですが、これは体が変化しているサインです。 あまり深刻に悩まず、ミネラル補給のタイミングだと思って、無理せず対策していきましょう。
もし、ストレッチや食事に気をつけても改善しない場合や、毎晩のように痛くて眠れない場合は、我慢しすぎないでください。 当院では、妊婦さんでも安心して飲める漢方薬(芍薬甘草湯など)を処方することも可能です。お守り代わりとして持っておくだけでも安心ですので、妊婦健診の際に医師へお気軽にご相談ください。
ただし、「片足だけがパンパンに腫れている」「赤くなって熱を持っている」「痛みがずっと引かない」という場合は、血栓(血の塊)などの別の病気が隠れている可能性があります。 その場合は我慢せず、早めに受診してください。
【監修】 医療法人育愛会 愛産婦人科




