
【助産師解説】産後、傷が痛くて座れない…!会陰切開の痛みはいつまで続く?トイレの恐怖を乗り切るコツと受診の目安
「赤ちゃんは可愛いけれど、傷が痛すぎて円座クッションが手放せない…」 「トイレでいきんだら、縫った糸がプチッと裂けそうで怖い!」 無事に出産を終え、ホッとしたのも束の間。産後のママを襲うのが「会陰(えいん)の傷の痛み」です。歩くのも座るのもツラく、「この痛みは一生続くの?」と絶望的な気持ちになっていませんか? でも、安心してください。この痛みには必ず終わりが来ます。 今一番ツラい時期を乗り切るために、痛みのピークとトイレタイムを安全に乗り切るコツを助産師が解説します。
1. この激痛はいつまで?痛みのピークと終わりの目安
会陰切開や裂傷の傷は、デリケートな部分であることに加え、常に体重がかかる場所なのでどうしても痛みを感じやすくなります。一般的な回復のスケジュールは以下の通りです。
- 痛みのピーク(産後〜3日目): 歩くのもペンギン歩きになり、座る時は円座クッションが必須の激痛期です。
痛み止め(ロキソニンやカロナールなど)は我慢せずに規定量しっかり飲んで問題ありません。 - 少し落ち着く(退院頃): 日常生活が少しずつラクになってきます。傷を縫い合わせている溶ける糸が徐々に引きつるような感覚(つっぱり感)が出ることがありますが、傷が治ってきている証拠です。
- ほぼ気にならなくなる(産後2週間頃): 2週間健診の頃には、糸も溶け(または外れて)、円座クッションなしでも普通に座れるようになるママがほとんどです。

2. 「糸が裂けそう…」トイレの恐怖を乗り切る3つのコツ
産後ママの最大のミッション、それが初めての排便です。「いきんだら傷が開くのでは…」と恐怖でトイレに行けず、便秘を悪化させてしまう方が非常に多いです。
ここで助産師から、大切な事実をお伝えします。
「排便で少しいきんだくらいでは、縫った傷は絶対に裂けません!」 医療用の糸で何層にもしっかり縫合されているため、安心してくださいね。恐怖を和らげるトイレのコツは以下の3つです。
① 処方された便秘薬を必ず飲む
便が硬くなると出す時に痛みが伴います。産院で処方される便秘薬(酸化マグネシウムなど)は、便に水分を含ませて柔らかくするお薬です。授乳中でも安全に飲めるため、処方されている方は、しっかり飲んでスルッと出る状態を作りましょう。
② 温水洗浄便座(ビデ)で優しく洗う
排泄後は、トイレットペーパーでゴシゴシ拭くのはNGです。温水洗浄便座のビデを弱めの水流にして優しく洗い流しましょう。
温かいお湯を当てることで血流が良くなり、傷の回復を早める効果もあります。
③ 拭く時は「ポンポン」と押し当てるだけ
洗い流した後の水気は、清潔なトイレットペーパーや清浄綿を使って、こすらずに優しくポンポンと押し当てるように吸い取ります。
3. 円座クッションを賢く活用しよう!
産後の会陰切開や、産後に悪化しやすい痔の痛み対策には、円座クッションがとても役立ちます。
形は主に、真ん中に穴が開いているドーナツ型(O字)や、切れ込みのあるU字型があります。
ドーナツ型は安定感があり、ホームセンターやベビー・マタニティ用品店でも手軽に買える定番の形です。
前方が開いているU字型は、傷口に触れにくく痛みが和らぎやすいのが特徴です。
選ぶ際は、お尻が沈み込みすぎない柔らかすぎず硬すぎないものや、清潔を保てるカバーが洗えるタイプなどがおすすめです。
多くの産院(当院も含む)では、入院中に専用のクッションを用意しています。退院後、全員に必須というわけではありませんが、座るのがツラい方にとっては、退院後の生活をぐっと楽にしてくれるアイテムですよ。
座る時の必須アイテムといえば円座クッションですが、実はドーナツ型(O字)と、前方が開いているU字型の2種類があります。
前方が開いているU字型は、傷口に触れにくく痛みがラクになるメリットがありますが、実はあまり一般的には出回っていません。そのため、手に入りやすい定番のO字型(ドーナツ型)のクッションが、産後のママの強い味方になってくれます。
もしO字型を使っていて痛みが気になる時は、座る際に傷がない方のお尻(左右どちらか)に少し重心をズラして座ってみてください。これだけで傷への刺激が抑えられ、痛みがぐっと和らぎますよ。

4. こんな時は我慢しないで!病院へ連絡する危険なサイン
傷の痛みは日に日に良くなるのが通常ですが、もし以下のような症状がある場合は、我慢せずにすぐに出産した産院へ連絡してください。
- ズキズキと脈打つような激しい痛みがある(血腫という血の塊ができている可能性があります)
- 傷のあたりが赤く腫れて、熱を持っている(細菌感染を起こしている可能性があります)
- 痛み止めを飲んでも全く効かず、痛みがどんどん強くなっている

まとめ:あなたの体は、大仕事を終えたばかりです
股が痛くて思うように動けず、赤ちゃんのお世話をするだけでも涙が出そうになる時期です。
「なんで私だけこんなにボロボロなの…」と落ち込まないでください。
あなたの体は、交通事故レベルのダメージを受けながら、一つの命を産み落としたばかり。痛くて当たり前なんです。
今はとにかく痛み止めと円座クッションをフル活用して、横になれる時は赤ちゃんと同じように寝転がって休んでくださいね。痛みの出口は、もうすぐそこまで来ています!
【監修】
医療法人育愛会 愛産婦人科





