
1. 【NG】避けるべきもの(赤ちゃんへのリスクが高い)
これらは「少量なら大丈夫」ではなく、妊娠全期間を通じて避けることを強く推奨します。
・アルコール(お酒全般)
「コップ1杯くらいなら…」は危険です。アルコールは胎盤を通過し、赤ちゃんの脳や体の発育に障害(胎児性アルコール・スペクトラム障害)を引き起こす可能性があります。ノンアルコール飲料で楽しみましょう。
・生肉・加熱不十分な肉(レアステーキ、生ハム、サラミ、ユッケ)
「トキソプラズマ」という寄生虫がいる可能性があります。妊娠中に初感染すると、赤ちゃんの目や脳に障害が出るリスクがあります。
お肉は中心部までしっかりと焼いてください。生ハムやローストビーフも、加熱されていないものは避けましょう。
・ナチュラルチーズ(加熱していないもの)
海外製のカマンベールチーズ、ブルーチーズなどのナチュラルチーズには、リステリア菌が含まれている可能性があります。
妊娠中は感染しやすく、流産や早産の原因になります。
※日本の大手メーカーが製造しているプロセスチーズや、ピザのように加熱して食べる場合は安全です。
2. 【注意】量を守ればOK、または条件付きでOKなもの
ここが一番迷うポイントかと思います。「絶対ダメ」ではありませんが、注意が必要です。
・お寿司やお刺身(生魚)
日本では「絶対に食べてはいけない」という指導は一般的ではありませんが、以下の2点に注意が必要です。
- 食中毒のリスク:妊娠中は免疫力が下がっており、普段より当たりやすい状態です。新鮮なものを選び、体調が悪い時は避けましょう。
- 水銀を含む魚:食物連鎖の上位にいる大きな魚(キンメダイ、メカジキ、クロマグロなど)は、水銀を多く含みます。これらは「週に1回(80g程度)まで」に控えましょう。
- OKな魚:サケ、アジ、サバ、イワシ、エビ、イカ、カツオ、ツナ缶などは、水銀の心配はほとんどありません。
・コーヒー・紅茶(カフェイン)
「妊娠したらカフェインを一切やめる」方もいますが、過剰摂取でなければ問題ありません。
世界的な基準(WHO)では、1日コーヒーカップ1〜2杯程度(カフェイン200mg〜300mg以下)であれば、赤ちゃんへの悪影響はないとされています。
好きなものを完全に断ってストレスを溜めるより、美味しく飲んでリラックスして過ごす方が、赤ちゃんにとっても良い環境と言えます。
・レバー・うなぎ(ビタミンA)
栄養満点ですが、動物性のビタミンA(レチノール)を妊娠初期に過剰摂取すると、赤ちゃんの形態異常のリスクが高まると言われています。
「毎日食べる」のはNGですが、週に1回程度、適量を食べる分には問題ありません。

3. 【OK】実は気にしなくていいもの(迷信)
「体を冷やすからダメ」「刺激物はダメ」といった話を聞くことがありますが、医学的には以下のものは食べても問題ありません。
- 辛いもの(キムチ、カレーなど):赤ちゃんに刺激が伝わることはありません。ただし、胃もたれや痔になりやすい時期なので、ママの体調に合わせて調整してください。
- アイスクリーム・氷:食べた瞬間に子宮が冷えるということはありません。糖分の摂りすぎに注意すれば大丈夫です。
4. ひと目でわかる!食べ物チェックリスト
食材カテゴリー | 判定 | 具体的な食材・注意点 |
お酒 | NG | ビール、ワイン、日本酒などアルコール全般 |
お肉 | 注意 | NG:生ハム、馬刺し、レアステーキ OK:中まで火が通ったお肉 |
魚介類 | 注意 | 控えめに:キンメダイ、メカジキ、大型のマグロ OK:サケ、アジ、サバ、ツナ缶、加熱した魚 ※お寿司は新鮮なものを、食べ過ぎない程度に |
卵 | 注意 | 生卵(卵かけご飯)はサルモネラ菌のリスクがあるため、鮮度に注意。心配なら加熱を。 |
チーズ | 注意 | NG:輸入物のナチュラルチーズ(加熱なし) OK:プロセスチーズ、加熱したチーズ |
飲み物 | OK | コーヒーは1日1〜2杯まで。麦茶やルイボスティーはノンカフェインでおすすめ。 |
まとめ
妊娠中の食事制限は、ストレスになりがちです。
大切なのは「食中毒(生肉・チーズ)を避けること」と「水銀・アルコールに気をつけること」。
このポイントさえ押さえておけば、神経質になりすぎる必要はありません。
神経質になりすぎて食事が楽しめなくなってしまうと、それがかえって大きなストレスになってしまいますよね。 「避けるべきポイント」さえ押さえておけば、あとはあまり難しく考えすぎず、赤ちゃんと一緒に美味しい時間を共有してくださいね。
そんな風に、上手に息抜きをしながら、お腹の赤ちゃんとの食事を楽しんでくださいね。

【監修】
医療法人育愛会 愛産婦人科
院長 菅原 正樹
札幌市手稲区の産婦人科 医療法人育愛会 愛産婦人科 院長の菅原です。 私たちは、女性のあらゆるライフステージに寄り添い、一人ひとりのお悩みに応える医療を大切にしています。食事や栄養に関する不安も、健診の際にお気軽にご相談ください。





