
【産婦人科医解説】基礎体温が「二相に分かれない」「ずっと低い」…これって無排卵?婦人科へ行くべき目安
「毎日測っているのに、ずっと低温期が続いている」 「グラフがガタガタで、どこが排卵日なのか全くわからない」 妊活を始めたり、自分の体を整えようと基礎体温を測り始めたものの、教科書のようなキレイな「二相(低温期と高温期)」にならず、ストレスを抱えていませんか? 「体温が上がらない=排卵していない(無排卵)ってこと!?」とパニックになってしまう前に、産婦人科医が教えるグラフが平坦になる理由と、一人で悩まずに病院へ行くべき目安についてチェックしてみましょう。
1. なぜ「二相」にならないの?考えられる3つの理由
基礎体温は、排卵した後に卵巣から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きによって、約0.3度ほど体温が上がることで高温期に入ります。 これが上がらない・二相に分かれない場合、大きく分けて3つの理由が考えられます。
理由①:実は一番多い「測り方のエラー」
無排卵かもと来院された方のうち、少なくない割合で実は排卵しているけれど、正しく測れていないだけというケースがあります。
- 朝、測る前に起き上がってしまった
- 口呼吸をしていて、口の中の温度が下がっている(舌の裏の奥に正しく当たっていない)
- 睡眠時間が短い、または毎日測る時間がバラバラ これだけでも、グラフは簡単にガタガタになってしまいます。
理由②:ストレスや疲労による「一時的なお休み」
女性の体はとてもデリケートです。「仕事が忙しかった」「強いストレスがあった」「急激なダイエットをした」といった理由で、脳からの指令がうまく伝わらず、その月だけたまたま排卵がお休みしてしまうことは、健康な女性でもよくあることです。
理由③:慢性的な「無排卵」やホルモンの異常
毎月ずっと低温期が続く場合や、生理が不規則な場合は、本当に排卵が起きていない無排卵月経の可能性があります。
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や、甲状腺機能の異常など、治療が必要な病気が隠れているサインかもしれません。

2. 婦人科へ行くべき「3つの目安」
「グラフが綺麗じゃないから、すぐに病院に行かなきゃ!」と焦る必要はありませんが、以下のどれか一つでも当てはまる場合は、自己流で様子を見るのをやめ、婦人科を受診するタイミングです。
- 基礎体温が「二相に分かれない(ずっと低い)」状態が、2〜3ヶ月連続している
- 基礎体温に関わらず、生理周期が極端に長い(39日以上)、または生理が飛ぶことがある
- 「排卵しているか不安」という毎朝のストレスで、妊活自体がツラくなっている
特に3つ目は重要です。基礎体温はあくまで目安であり、ストレスの種になってしまっては本末転倒です。
「不安だからエコーで診てください!」という理由で受診して全く問題ありません。
3. 病院では何をするの?基礎体温より確実な検査
婦人科では、毎朝の体温計の数値に一喜一憂しなくても済む、医学的で確実な検査を行います。
- 超音波(エコー)検査: 卵巣を直接見て、卵胞(卵子が入った袋)がどのくらい育っているか、排卵しそうかをミリ単位で確認します。
- 血液検査: 卵巣や脳からしっかりホルモンが出ているかを数値で調べます。
「私のグラフ、変なんです…」と基礎体温表(またはアプリの画面)を見せていただければ、医師がその背景にある体の状態をしっかり読み解きます。

まとめ:基礎体温は「テストの点数」ではありません
グラフがガタガタだったり、体温が低かったりすると、「私の体がダメなんだ」とテストで悪い点を取ったような気持ちになってしまう女性が多いです。
でも、基礎体温はあなたの女性としての価値を決めるものではありません。ただの体からのサインです。
もし無排卵だったとしても、お薬で排卵をスムーズに促す治療法はたくさんあります。
一人で悩んで時間を無駄にしてしまう前に、まずは私たち産婦人科医に相談してくださいね。
【監修】
医療法人育愛会 愛産婦人科
院長 菅原 正樹
札幌市手稲区の産婦人科 医療法人育愛会 愛産婦人科 院長の菅原です。 私たちは、女性のあらゆるライフステージに寄り添い、一人ひとりのお悩みに応える医療を大切にしています。検査や今後の妊活に関しましても、どうぞお気軽にご相談ください。





